2014/03/12
- シェルジュの日記
(続)数珠つながりの記入用紙
それでは皆さまとお約束していた通り、お話の続きをいたしましょうか。
もしかしたら彼もきっと・・・
気になってしまって、思わずそっと視線を向けてしまいました。
じっと見つめないようにしていたはずなのですが、私の横からの視線を感じ取ってしまったのでしょうか。
まさに今、数珠のように繋がってしまった用紙を手にして、ちょっぴり恥ずかしそうな困惑したような表情をした彼は、用紙に向けていた視線を、今度はゆっくりと私の方へ移して小声でこう言いました。
「いつも上手く取れませんよね。」
思わず二人で笑ってしまいました。
私と同じ思いを密かに抱いていた方との思いがけない遭遇。
共有したことは、ささいな不便さでしたが、そこから何とも言えない心地良さが生み出され、私の心をほのかに温めてくれました。
いつか、あの用紙を一枚だけ上手に取れる方に出会えるのでしょうか。
それよりも先に、一枚ずつ取りやすいように差し替えられているのでしょうか。
あの場所へ行くことが、ちょっとだけ楽しみになりました。