2014/02/25
- シェルジュの日記
(続)新幹線で向かう職場
それでは皆さまとお約束していた通り、お話の続きをいたしましょうか。
たった一人、外部の人間である私が家族に紛れ込んでいたことは、今改めて思い起こしますと不思議でなりませんが、温かい家庭の和の中に、無意識に溶け込んでいたことに驚きと共に喜びを感じています。
民宿の一番の売りは、「家庭的な温かさ」と「こだわりの手料理」。
毎朝5時から始まる朝食準備に、眠い目をこすりながら起床する日々が続きました。
お客様の目の前にお食事を運んで、その様子をそっと見守り、無事出発をお見送りしたら、大量のお皿洗いと客室清掃に一斉に取りかかります。
一休みしたら、今度は民宿自慢の本格的な夕食準備に取りかかって・・・
一連の仕事に慣れるまでは時間がかかりましたが、家庭的な心地良さと、就寝前に好きなだけ入ることができる温泉が、私の体の疲れと心の緊張を完全に溶かしてくれました。
そして何よりも、宿を訪れる方々が私のことを家族の一員のように話しかけてくださることがとっても嬉しくて、何にも代え難い充実した時間を過ごすことができました。
今思い返しますと、新幹線で通っていたあの職場こそが、今の私を形成してくれたような気がします。